- 軽い運動をする、というのは具体的にどうすればいいか分かりません…。
- 健康の為に軽い運動をしたいのですが、仕事や子供を見ているのでなかなか時間が作れません。家の中で出来る運動 、オススメはありませんか?
- 運動不足を解消するために軽い運動をしようと思っています。 おすすめの有酸素運動を教えてください。
軽めの運動をしたほうがいいかな、と思いながらなかなか行動に移せないひとは多いです。しかし、運動不足は太りやすい体質になるだけでなく、将来的には骨の脆さや記憶力の低下につながります。
私は基幹病院で理学療法士として働くだけでなく、トレーナーとして水泳の国体選手のケアも行っています。
軽い運動は一般の人にもスポーツ選手にもいい影響があります。軽い運動が体を強くするのはもちろん、気持ちがリフレッシュできて疲労の回復も促進できます。
この記事では一般の方を対象にして、「軽い運動の3つのメリット」として基本的な運動の効果から健康的な生活にシフトする第一歩として+10とおすすめの運動までまとめて解説します。
この記事を読むことで、軽い運動が「なぜ身体にいいのか」「何をしたらいいのか」がわかります。
健康的な生活への第一歩は1日10分、体を動かすことから。難しく考えずに始めてみるのがおすすめです。
軽い運動の3つのメリット
運動を行うことにはたくさんのメリットがあります。まずは運動を行うことでどのような身体に良いことが起こるのかを紹介していきます。毎日継続することができるよう、運動のメリットを把握しておきましょう。
心肺機能が高まる【軽い運動のメリット①】
心肺機能が強くなり、体力がつく
運動を行うことで、普段の生活よりも酸素を沢山消費するようになり、心肺持久力がつきます。肺で酸素を取り入れる効率が高まり、筋肉である心臓も強くなります。また、酸素を運ぶためにたくさんの血が流れるようになるので、血管が太くなり毛細血管の数も増えます。
血管が増えて血流が良くなると、酸素や栄養を素早く体へいきわたらせることができるので、疲労が軽減され作業や運動を長時間続けることができるようになります。
血液がきれいになる
運動を行うことで、血液の中にある善玉コレステロールを増やすことができます。また、悪玉コレステロールの数は減少し、血管が硬くなったり血圧の上昇を抑えてくれます。多くの方が聞いたことがあるような、動脈硬化・高血圧などの異変を回避することができます。
運動を一回行えば効果が出るということではありませんが、期間が空いてしまったとしても継続的に続けることが病気の予防にもつながります。
体重が落ちやすくなり、見た目も若返る
運動中はもちろん運動後は、普段よりもエネルギーの消費が高まります。また、運動を行うことによって、筋肉の量も増えるので、日常生活でのカロリー消費量も多くなります。
強度の低い運動を長時間継続すると、脂肪の燃焼効果を向上させることもできます。このように、生活習慣病の予防になるだけではなく、運動をすることで消費カロリーを上げることも可能になるのです。
消費カロリーが増えるということは、ダイエットがしやすくなったり効果が出やすくなったりします。見た目なども改善され、スタイルが良くなるので、継続的な運動を心がけましょう。
運動器の機能が高まる【軽い運動のメリット②】
骨に刺激が加わり丈夫になる
運動を行うと、身体の内部にある骨に衝撃が加わります。骨は衝撃を受けることで、壊れないように骨を丈夫にしようとする作用が働きます。
骨を強くする細胞の働きが活発になるので、骨が弱くなることを予防してくれます。ウォーキングなどの運動でも骨を強くするための効果があるので普段の生活の中で意識的に歩くことを心がけましょう。
関節や筋肉が柔らかくなる
運動を続けていると、関節や筋肉が柔らかくなります。私たちの身体は主に骨や筋肉でできており、それらが複雑に組み合わさって体が構成されています。運動を行うと、筋肉を包んでいる膜が引き延ばされ、硬くなることを防ぐことができます。私たち人間の身体は普段から動かしていないと徐々に硬くなってしまいます。寝たきりになると身体が動かなくなるのはこのためです。日常生活から継続的に体を動かすことが非常に重要となります。
筋肉がつよくなり、力がつく
強度の高い運動を行うと、普段の生活よりも強い力が必要になります。より大きな筋力で運動を行うようになると、その刺激によって徐々に筋肉が成長し力が強くなります。
歩いたり姿勢を維持したりといった日常の動作の基盤となる筋肉は「抗重力筋」や「姿勢維持筋」と呼ばれています。
運動をしていると、大きな力を発揮する筋肉が主に成長します。また働いていなかった他の筋肉も動くようになるので、相対的に筋力が付き、日常生活の動作・作業も楽に感じられるようになります。
痛みの感じ方が改善する
運動を行うことにより、肩こり・腰痛・膝痛などの症状を抑えたり緩和させたりすることができます。
運動を行うと血流が良くなるので、筋肉の回復が促進されます。また、筋肉の緊張がなくなるので、無駄な力みなどがなくなり、身体の痛み改善に効果を示します。
さらに、関節などの痛みは筋力低下が原因になっていることもあります。運動を行い、筋力を維持し続けることで関節痛などの予防効果も期待できます。
脳の機能が高まる【軽い運動のメリット③】
脳を活性化し、記憶力が上がる
運動を行うと脳を活性化することにつながり、認知症の予防や改善する効果が認められています。
運動には様々な種類がありますが、複雑な動きが必要な運動は脳への良い刺激を送ることにつながります。また、ウォーキングのような風景が変わる運動も、脳にとっては良い刺激になるとされています。
単純な動きが悪いということではありませんので、余裕が出てきたら普段から行っている運動の難易度を変更してみると良いでしょう。
抵抗力がつく
適度な運動を行うことにより、身体の免疫機能を高めることができます。免疫機能が高まると、病気や感染症にかかるリスクを減らすことができ、より健康的な生活を送ることができるようになります。
また、楽しみながら運動を行うことでも免疫力が高まると言われています。運動を行うことで心もリフレッシュされるので精神的な面での免疫力も向上・回復することができます。
このように、身体的・精神的な面で健康に過ごすための抵抗力を身に付けることができます。
気持ちが元気になる、前向きになる
運動を行うことで、気分が明るくなったりストレスを発散したりする効果があります。
運動を行うことのメリットは身体的な面だけでなく、気持ちの面にも良い効果があるということです。運動を行うと疲れるだけと感じる方もいるかもしれませんが、リラックス効果や不安感の軽減・意欲の向上など、普段の生活の質が大きく向上します。気持ちを若返らせ、メンタルを安定させてくれる効果が期待できます。
プラス10してみよう
厚生労働省は「健康づくりのための身体活動基準2013」において、健康的な生活へとシフトするための方法として「+10(プラステン)」を推奨しています。これは「今より身体を10分多く動かすことで健康寿命をのばすことができる」というものです。
一人ひとりの運動習慣を見直すところからスタートし、
- ステップ1. 気づく
- ステップ2. 始める
- ステップ3. 達成する
- ステップ4. つながる
という取り組みの目標・段階を設定します。
毎日10分の運動を継続するだけで健康寿命の延長効果が示されています。
健康寿命とは「心身共に健康的に生活できる期間」のです。健康寿命が延びるということは、長い間健康的な体を維持できるようになるということです。また、体重減少効果やがんの予防効果・認知症の改善予防効果なども示唆されています。
1日たった10分であっても軽い運動をすることで私たちの身体にはたくさんの良い効果があります。
毎日何時間も続けることは難しいかもしれませんが、10分であれば最初から「無理!」という方は少ないはずです。運動をする上で、時間の確保は大きな問題になりますが、10分でも効果があると分かれば続けられそうな気がしませんか?
初心者におすすめの軽い運動3選
運動の重要性に気づいたら次は「ステップ2. 始める」の段階です。
屋外・屋内それぞれで行うことができる軽い運動を紹介していきます。自分の生活スタイルに合った方法を選ぶようにしましょう!
ここで紹介している以外の方法でも継続できる運動であれば問題ありません。自分なりに長期間継続できる軽めの運動を見つけてみるのもオススメです。仕事や学校など、時間の制約があっても取り組みやすい運動をピックアップしているので、忙しい方でも継続しやすいはずです。
屋外なら軽めの有酸素運動がおすすめ!
ウォーキング
+10の運動は、ウォーキングが最も簡単に行うことができます。器具や場所の準備をする必要が無く、自宅を出るだけで簡単に行うことができるので、毎日続ける運動としては継続しやすくなっています。
余計な準備が必要な運動だと、運動を行う時間以外にも準備・片付けの時間が必要になってしまいます。経路やスピードを変えながら毎日楽しんで行うことができるのもメリットの一つです。
ウォーキングは息が切れることもないので、そこまで辛いと感じる方も少ないはずです。
運動中の疲労感というのは、少ないほうが継続しやすくなります。もちろん心肺機能向上などの面で考えるとある程度の負荷は必要になりますが、それ以上に運動を続けることの方が大切になります。運動中に辛いと感じにくいウォーキングは、継続しやすいという面で大きなメリットがあります。
+10において、軽い運動を続ける効果として「死亡リスクの低下」「生活習慣病リスクの低下」「がん発症率の低下」「認知症の発症率の低下」が確認されています。さらに、1日10分の運動を継続すると、1年後には体重が-1.5~2.0kg減少する減量効果も期待できるとされています。(引用元:厚生労働省e-ヘルスネット)
ジョギング
「ウォーキングでは運動した気がしない」という方にはジョギングがおすすめです。
ジョギングは、ウォーキングよりも消費カロリーが多いので、+10において運動を続ける効果として挙げられていた「体重の減少」の効果もより一層高まります。
ジョギングを行うと、筋肉に強めの刺激が加わるので筋力の向上が見込めます。また、運動を行うことで血流の改善効果があるので、体内の疲労物質などを素早く処理できるようになります。
さらに、ジョギングはかなりのカロリーを消費できるのでウォーキングよりもスリムな身体を手に入れやすくなっています。
ウォーキングと比較すれば少々辛い部分があるかもしれませんが、身体への効果だけではなく、メンタル面や外見にも効果が表れやすいことを考慮すると、こちらもかなり良い運動です。ジョギングを行う際にはシューズやウエアが必要になるので、事前に用意しておきましょう。
室内ならストレッチやヨガがおすすめ!
ストレッチ・ヨガ
室内で行うことのできる運動には「ストレッチ」等があります。中でも、瞑想状態や呼吸法などが必要とされる「ヨガ」の効果が高いとされており、外出する機会が減っている最近でも安心して自宅で行うことができます。
さらに寒い季節や花粉が気になる季節など、どうしても外出は控えたい時期もあるはずです。そのような時には、室内で行うことができる運動でも問題ありません。
外で運動する時間がないときでも、軽い筋トレやストレッチであれば自宅で行うこともできます。時間を節約したい方は室内での運動も検討してみて下さい。
「軽い運動の3つのメリット」ですが、ストレッチよりもヨガの方が複数の効果を得ることができるのでオススメです。中でもヨガは心肺系にも効果的で、呼吸法を工夫する必要があるので肺機能や心臓の機能が向上しやすくなっています。
大切なことは毎日の習慣にすること。
軽い運動のメリットや+10における運動を継続することのメリットについて紹介してきました。運動の強度を調整することや、何を行うかも大切ですが、やはり一番大切なことは「運動を継続すること」です。
1日だけ、運動を一生懸命行ったのではやはり効果は薄れてしまいます。そのため、短い時間だとしても、毎日継続的に取り組むことが健康的な生活への第一歩となります。
運動を続けるには、モチベーションに頼るのではなく、運動を継続できる仕組みや環境を作ることが大切。
仕組みづくりで運動を継続する方法はこちらの記事にまとめています。
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運動を継続するためには様々な方法があるので、自分なりに一番合う方法を取捨選択しながら健康的な生活へシフトしていきましょう。
まとめ
ここまで「軽い運動の3つのメリット」として基本的な運動の効果から健康的な生活にシフトする第一歩として+10とおすすめの運動までまとめて解説しました。
軽い運動はメリットがいっぱい。やらない理由がなくらいです。
- 軽い運動のメリットは、①心肺機能、②運動器の機能、③脳の機能が高まること
- 軽い運動のメリットに気づいたら次は「始める」ステップ
- 軽い運動のおすすめは、屋外ならウォーキング、屋内ならストレッチ・ヨガ!
健康的な生活への第一歩は1日10分、体を動かすことから。難しく考えずに始めてみるのがおすすめです。
今回の記事を参考に軽い運動を始めて、今の自分と将来の自分に良いことを積み上げてみませんか?