- 姿勢のいい人に憧れる、どうやったらあんな風になれるの?
- 自分の姿勢のタイプがわからない…
- 良い姿勢のチェックとキープはどうすればいいかわからないから教えて!
姿勢に関する情報が多すぎて自分はどの姿勢に当てはまるかわからないですよね。姿勢を治すために努力されているのに肝心な良い姿勢の捉え方が違っていたら台無しです。
私は基幹病院で理学療法士として働くだけでなく、トレーナーとして水泳の国体選手のケアも行っています。
水泳競技では水の抵抗を少しでも軽くするために、まっすぐでキレイな姿勢をキープすることがとても大切。最近よく聞くインナーマッスルのトレーニングも実は水泳競技の姿勢トレーニングから始まっているんです。
そこでこの記事では、キレイな姿勢のチェックポイントとして、姿勢の基本かからチェック方法までまとめて解説します。
姿勢をキレイにする第一歩は自分の姿勢を知ることから始まります。この記事を読めば「正しい姿勢のチェックポイント」がわかります。
正しい姿勢のメリットを解説!
皆さんは普段の生活でどのような姿勢をしていますか?街中では姿勢が良い人・悪い人等様々な人を見かけますが、自分自身はいかがでしょうか。
姿勢が悪いと体のいたるところに悪影響が出ますし、逆に良い姿勢を維持すると様々なメリットがあります。
例えば、座り方や立ち方です。背中をしっかりと伸ばした良い姿勢をしていると、肩こりや腰痛が起きづらくなります。これらは身体のゆがみが原因で筋肉などに負担がかかって起こるため、正しい姿勢を心掛けるだけで身体的な負担を減らせます。他にも筋肉の凝りが無くなるので、血流が良くなり冷え性などの予防にも効果的です。
今回は、日常生活から正しい姿勢をして現在よりも健康的な生活へとシフトしていく方法をご紹介していきます!
正しい姿勢の基本は3つ
適度な背骨のカーブを保つ
まずは、背骨のカーブを綺麗に保つ事が大切です。「背骨はまっすぐの方が良いのではないか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は適度なカーブが付いているほうが良いのです。
私たちの身体は頭・肩・腰・膝が横から見て一直線上にある姿勢が最適だとされています。頭の重さを分散させるために背骨が適度なカーブを描き、バランスが取れているとこの4か所が一直線上に並ぶようになっているのです。確認方法は簡単で、縦長の鏡の前に立つだけでOKです。横から自分の身体を観察してみましょう。
骨盤は身体の土台!
骨盤は腰の部分にある大きな骨で、私たちの身体を支えています。コマネチをしたとき、内側にある骨が骨盤で、背骨ともくっついています。
先ほど、適切な背骨のカーブが重要であるということをお伝えしましたが、骨盤が傾いたり安定感が弱かったりすると、上に乗っている背骨に影響が出てしまいます。
骨盤が前に傾くと背骨も前に傾きますし、後ろに傾けば後ろ、横に傾けば横に背骨のカーブが変形します。そうすると前後左右のバランスが崩れ、姿勢が悪くなったり腰痛がでたりという形で筋肉に痛みの原因の1つになります。背骨だけでなくそれにつながっている骨盤も大切であることを忘れないようにしましょう。
身体の片方だけに負担をかけない
骨盤が傾くと背骨にも影響がでることをお伝えしましたが、同様に身体の片方だけに負担がかかるような姿勢や動作にも注意が必要です。左右どちらかだけに負担がかかると、片方のみの筋肉が疲労したり片方のみ筋力が強くなったりしてしまいます。筋肉は骨に付着しているので、筋肉のバランスが崩れると姿勢にも影響が出てしますのです。
キレイな姿勢のチェックポイント
キレイな姿勢
悪い姿勢をチェックする方法の後は、きれいな姿勢を身に付ける方法をご紹介します。悪い姿勢を治そうと思っても、正しい姿勢を理解していないと治せないですよね。立ち姿と座り姿について紹介しますので、把握しておきましょう!
立ち姿勢
綺麗な立ち姿では、最初に説明したように身体を横に見た際、一直線の縦線ができます。
具体的な確認ポイントは、「耳の穴・肩の前方・太ももの骨(大腿骨)の外側にある出っ張り(大転子)・膝の前方・外くるぶしの少し前」です。以上を結んだ線が一直線上にあれば、キレイな姿勢と言えます。
一直線上にない方は、背骨のカーブが過度に前後へ大きくなっていることがあります。原因は単純に背中が曲がるor反っているだけであったり、骨盤が前後に傾いていたりすることです。背骨が曲がっていると感じる方は、一度骨盤の傾きなども確認してみましょう。ごくまれに、顎が上がっている影響で背中から腰にかけてのカーブが大きくなっていることもあります。
前から見ても、骨盤に左右の傾きが無く、軽く胸を張った姿勢が正しい姿勢です。正面から見た場合、背骨の左右カーブは無く、まっすぐになっているのが理想的です。肩の高さもポイントの一つになるので、全体を見るイメージで視野を広くして観察してみましょう。
座り姿勢
綺麗な座り姿勢では、上半身は立ち姿と同じようになります。横から見ると一直線ができ、背筋が伸びた状態が理想です。
下半身は膝が90くらいで曲がり、足底全体が地面についているようにしましょう。前側から見ても、上半身は立っている時と同じです。左右のブレが無く、背骨がまっすぐになるようにします。下半身は、膝が過度に内側へ入るor足を開きすぎることなく、膝から床への線が垂直になるよう心がけます。
悪い座り姿勢
座っている姿勢でも、骨盤の傾きが原因で背骨のカーブが大きくなります。座っている場合は、立っている場合よりも骨盤の傾きが確認しやすく、骨盤が後ろに傾いていると座面が腰側に寄っていきます。
殿裂(お尻の裂け目)の上部まで椅子の座面についている場合は骨盤が後ろに傾いているので前側へ修正しましょう。前に傾いていると、大きく胸を張り後ろにのけぞるような姿勢になります。その場合は顎を引きながら骨盤を後ろに倒し、上半身を正しい姿勢に戻します。
下半身は前述のとおり、足を開きすぎor閉じすぎのどちらかになります。このどちらかになっていると、上半身の重さを適正に支えることができず、他の部位に負担をかけてしまいます。膝から床への線が垂直になるよう、修正しましょう。
姿勢のセルフチェック方法
それでは、簡単に自分の姿勢をチェックできるセルフチェックを紹介します!自宅ですぐに行うことができる方法なので、記事を読みながら一緒にチェックしていきましょう!
反り腰のセルフチェック
反り腰の姿勢では、腰が反るため耳の穴や肩の位置が、「太ももの骨(大腿骨)の外側にある出っ張り(大転子)・膝の前方・外くるぶしの少し前」を結んだ線より前にきます。
- 仰向けに寝て、膝を立てます。
- ベッドと腰の間に手を入れて、隙間の幅を確認してみてください。
隙間はどのくらい開いていますか?
(1)隙間はなく手が入らない
(2)手のひら一枚分の隙間がある
(3)手首まで楽に通せるくらい広い
「手首まで楽に通せるくらい広い」だった方は反り腰の可能性が高くなっています。
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猫背のセルフチェック
猫背では、背中が丸まり、膝が曲がります。そのため、膝・耳の穴や肩の位置が他の部分に比べて前にきます。
- 壁に背を向け、30cm程壁から離れて立ちます。
- そのまま後ろに下がり、体を壁にくっつけます。
体を壁にくっつけた時、最初に体のどこが壁についたかを覚えておいてください
- 壁と腰の間に手を入れます
隙間はどのくらい開いていますか?
(1)ギリギリ片手が入るくらい
(2)手が入らない
(3)楽に手を通せるくらい広い
②で「お尻よりも先に背中が付いた人」
③で「手が入らない」方は猫背の可能性が高くなっています。
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巻き肩のセルフチェック
巻き肩は、肩が前方に出てしまっている状態で、猫背と似ていますがスマホを利用する現代人に多い症状です。周りの人に確認してもらい、【耳よりも肩が前方に出ている人】は巻き肩の可能性があります。
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- 両足を肩幅くらいに開いて、壁に背を向けてに立ちます。
- 両手を上に挙げて、バンザイを行っていきます。
- なるべく耳から腕が離れないよう、注意しながら限界までバンザイをします。
この時は腰や身体を反らさずにバンザイをしていきましょう
- 周りの人や鏡で、どこまで腕が上がっていたかを確認しましょう。
腕はどこまで上がりましたか?
(1)壁に着くまでまっすぐ上がった
(2)腕の上がりはが耳より前が限界
「腕の上がりはが耳より前が限界」だった方は巻き肩の可能性が高くなります。
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ウォーキングも正しい姿勢で効果アップ
日々のウォーキングや徒歩でも正しい姿勢を維持することで姿勢改善の効果が上がります。いくつかポイントがあるので、順番に紹介していきます。
- 目線
- 胸の張り
- 腕の振り
- 歩幅
まず目線は下過ぎると背中が曲がってしまいますし、上過ぎると顎が上がって背骨のカーブに影響します。まっすぐ前を見るようにしましょう。
次は胸を張りすぎると反り腰の姿勢、丸めすぎると猫背や巻き肩の姿勢になるので注意が必要です。
3つ目は腕の振りです。腕は後ろにもしっかり振ることを心がけましょう。猫背や巻き肩の人は腕の振りが小さくなる傾向があります。腕をしっかり振ると、胸を張る効果があるので、猫背や巻き肩の方は腕をしっかりと振ることを心掛けて歩くようにしましょう。
最後の、歩幅は無理をしない程度で歩きやすいと感じる幅を心掛けることが大切です。ウォーキングになると、急に歩幅が広がったりペースを速めるために狭くなったりする方がいますが、それでは上半身のブレにつながり悪い姿勢になってしまうため、気を付けましょう。
正しい姿勢でウォーキングを行うと、正しい姿勢をキープする筋肉を鍛えることができます。ウォーキングは筋力トレーニングと違って気軽に行うことができますし、徒歩であれば普段の生活から気を付けることができます。正しい姿勢をキープしていくためにも、歩く姿勢を見直してみましょう!
悪い姿勢にならないためにできる3つこと
まずは意識を変えるところから!
悪い姿勢を改善するために、まずは意識的な部分を変えていきましょう!気づいたら、治すという心がけをこまめに繰り返していくことで、それが自然と行えるようになります。人間は癖がついていると新しい癖がつくまで直すことができません。悪い癖は新しい癖で上書きしないと、無意識のうちに出てしまいます。
最終的な目標は、無意識でも良い姿勢をキープすることなので、まずは意識的に姿勢を治すところから始めていきましょう!
環境を整えて運動習慣を作る方法はこちらの記事にまとめました。
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ストレッチと筋トレ組み合わせて身体のバランスを整えよう
ストレッチを筋力トレーニングは姿勢改善にとても有効です!
骨盤や背骨は筋肉が付着しているため、筋肉が固いと引っ張られてゆがみが生じてしまいます。ストレッチではこれらの筋肉の柔軟性を改善することにより、骨や他の筋肉に余計な負担をかけず、正しい姿勢をキープできるような状態を整えることができるのです。
筋力トレーニングでは、骨盤周りや背中回りを支えている筋肉を強化することができます。支えている筋肉が弱ってくると、他の筋肉で補助をしてバランスが悪くなり、悪い動き方の癖がついてしまうこともあります。
全体のバランスを保ちながら、適切に筋力トレーニングを行うことは正しい姿勢をキープする上で重要なポイントになるため、定期的に実践してみましょう!筋力トレーニングは1回で十分というものではありません。毎日ではなくてもいいので、しっかりと継続することが大切です。
サポートアイテムを活用しよう!
いきなり筋トレやストレッチだけを継続するのは大変ですよね。やってすぐに効果が出る物は少ないので、長く続けるのは大変なはずです。
そこで活躍するのが、コンプレッションウエアや骨盤サポート椅子などのサポートアイテム。
コンプレッションウエアは薄い柔軟性のある素材でできており、筋肉の働きをサポートしてくれる働きがあります。
軽い締め付けを筋肉に与えることで、更に大きな力を発揮することが分かっており、その作用を活かしているのがコンプレッションウエアです。コンプレッションには「圧迫」という意味があり、適切なサイズのコンプレッションウエアを着用することで、弱っている筋肉やバランスの悪い筋肉のサポートにつながります。綺麗な姿勢維持には筋力は必要不可欠なので、最初からある程度の改善効果を感じたい方にはオススメです。ただし、最終的にはサポートが無くても綺麗な姿勢が保てなければいけないため、サポートされていた分の筋力も外してから身に付ける必要があります。
骨盤サポート椅子は骨盤の傾きを治して正常な状態を維持してくれる物です。骨盤は背骨とつながっているため、骨盤をまっすぐにすると、自動的にきれいな姿勢へと強制してくれるのです。綺麗な姿勢に整えることができたら、キープして筋力を鍛えていきましょう。
まとめ
ここまで姿勢の基本かからチェック方法までまとめて解説しました。
正しい姿勢の捉え方が間違っていると、いくら治す努力をしても台無しになってしまいます。自分の姿勢を知って正しく対処することでキレイな姿勢を身につけることができます。
- 正しい姿勢のポイントは背骨のカーブと土台の骨盤!
- 姿勢を治すにはまず意識を変えるところから!ストレッチと筋トレはバランスよく行う。
- 継続できない人はサポートアイテムを活用して効果アップ
今回の記事を参考に日常生活のちょっとした工夫で猫背などの姿勢の乱れを改善し、健康生活にシフトしていきませんか?