靴のかかとを修理するタイミング|すり減り防止に購入時にやるのもアリ

  • 靴のすり減りが大きくなってきた。 上の部分はまだきれいだし足によく馴染んでるからもう少し履きたい!
  • 革靴のかかとすり減り修理を店に頼むといくらくらいでしょうか?お気に入りなので、かかとがすり減ったくらいで靴を捨てたくない!
  • 憧れの靴を購入したのですが、かかとのすり減りが怖くて歩けません。 ソールのすり減りを防止する方法があれば教えて!

かかとがすり減った靴を「履き慣れているから」と履きつづけるこ人は多いです。しかし、かかとのすり減った靴は、見た目が悪いだけでなく体にも負担がかかります。

そこでこの記事では見過ごしがちな「靴のかかとの修理を考えるタイミング」を靴の形状別に解説!すり減りの予防方法からオススメの靴修理店までまとめて解説します。

この記事を読めばお気に入りの靴を長く履くことができます。

靴のかかとを直すだけで、見た目も良くなり身体にかかる負担を軽くできますよ。

すり減った靴のカカトは靴にも体にも良くない

カカトがすり減った靴を履き続けると、靴にも体にも大きな負担がかかります。
地面に接地している面積が減るということは、無意識に体がバランスを取り、調整しなくてはいけなくなるためです。
歩くときに、本来の位置ではない場所に着地すると、

  • 足首の負担
  • 膝の負担
  • 腰の負担

が、かかります。
そのため、土台である足元が正しく接地することが非常に大切です。
また、カカトが減った状態で履き続けると、靴にも負担がかかります。そのため、最適な目安で交換することが、靴をキレイに長く履くのに重要になります。

靴のカカトにゴムがついている3つの理由

靴にゴムがついている理由は

  • クッション性
  • 軽量化
  • 交換可能にするため

です。
順番に詳しく説明します。

クッション性

仮にゴムがついていない靴で歩行すると、地面に足がついた時にクッション性がないため大きな衝撃がかかります。
そのため、ほとんどの靴は地面に触れるところがゴムやスポンジ素材になっています。
地面との接地面をゴムやスポンジにすることによって、滑りづらくするという機能もあります。
クッションであるゴムが減ってきて、

  • 土台が見えている
  • 内部の金属が見えている

このような状態で履き続けるのは、靴にも体にも負担がかかります。

軽量化

地面に着く部分は頑丈で重みのあるゴムでできています。

靴底全体を硬いゴム素材にすると、重みがでるだけでなく、反発によって靴が脱げやすくなります。靴底全体は反発の少ない軽いゴムや革を使用し、接地面を固くて丈夫なゴムにすることによって、全体的に履きやすい靴に仕上がります。土台部分は中を空洞にしている靴もあり、カカトのゴム以外の場所は、なるべく靴全体が重くならないように工夫されています。

減ったゴムを交換可能にするため

カカトのゴムがすり減ったら、その部分だけを交換できるほうがキレイに長く履けます。

もし靴全体が同じゴム素材を使用していた場合、毎回靴底全体を交換する必要があるからです。(中にはそのようなデザインの靴も存在します)全体が一体底の靴の修理方法は別の章で説明いたします。

靴のカカトの種類【紳士靴と婦人靴の違い】

カカトの修理には、紳士靴と婦人靴でそれぞれ修理方法が異なります。

修理の値段も紳士靴のほうが高い傾向にあります。これは一般的に、交換するゴムの面積が紳士靴のほうが大きいのが理由です。ゴムの厚みも紳士靴のほうが、厚いことが多く、これが修理代の差につながっています。

ピンヒールなど婦人靴は、紳士靴に比べてゴムの面積が小さいため、交換する頻度も高くなります。ピンヒールを普段から履く女性にとっては、ファッション・お化粧の次にお金がかかる部分と言われています。

紳士靴

紳士靴で、主にビジネス用で履く靴は、靴本体からカカトに土台があります。土台から地面に着く部分、約1cm厚のゴムが取り外して交換ができます。最近では歩きやすさを重視した靴底一体型のビジネスシューズもあります。

一体底の靴は、早いタイミングで修理すれば【すり減っているところまで機械で削る】→【ゴムをつけて高さを戻す】ことができます。目安は交換するゴムの厚みである1cmです。大幅に減ってしまうと、底全体の交換が必要になり、修理代や納期が大幅にかかることになります。

婦人靴

婦人靴は一般的に

  • ピンヒールタイプ
  • ローファータイプ
  • 一体底タイプ

があります。

靴の持ち込みは圧倒的にピンヒールが多いです。
靴修理店の出店には、その地域の駅周辺にどれだけ女性の利用客が見込めそうかの調査もするぐらいです。

ピンヒール

ピンヒールには、カカトの先端に穴が空いており、穴に打ち込む専用のゴムがあります。

修理はゴムを外して、新しいゴムを打ち込む簡単な作業で、5分ほどで終わることがほとんどです。

ローファー・革靴

カカトが大きいタイプの婦人靴では、紳士靴の革靴と修理方法は同様です。地面に設置する面に0.5cm〜1.0cm厚のゴムがついているので、外して交換します。
ゴムの厚みよりすり減りが大きい場合は、土台を戻す作業が必要になり、修理代が¥500〜¥1000円ほど余計にかかってしまいます。
見た目のデザインも、スキマに部材を【当てた感】が出てしまうため、土台が削れる前に交換するのが望ましいです。

一体底

比較的、ご高齢の方に好まれ、歩行しやすい靴です。靴底が一体型だと部分的な修理しかできないため、減った場所にゴムを当てて平らに加工します。
もともとの色と似た色のゴムになるため、当てた感が出てデザインが変わります。軽量を重視した靴の場合、靴の重さが多少増える場合もあります。
靴底の減り方に左右差がある場合、補修をする範囲の大きさから、左右で重さが多少変わる可能性もあるのです。

【形状別に解説】靴のカカト修理と交換のタイミングとは

靴の形状は様々です。
  • 革靴
  • ピンヒール
  • スニーカー
それぞれで、最適なゴム交換・修理のタイミングを解説します。

革靴や紳士靴の場合

靴底をよく見ると層になっており、地面にあたる側に0.7cm~1.0cm厚のゴムの層があります。
このゴムは修理時に簡単に外して、交換ができる箇所になります。
それぞれの名称は
  • ゴム部分:トップリフト
  • 土台部分:ヒールリフト・ヒールベース
と呼ばれるのが一般的な名称です。
1枚目の層についている厚み1cmほどのゴム部分(トップリフト)がなくなってきたら交換のタイミングです。
ゴムの厚みよりも減ってしまうと、土台部分がけずれ修理代がプラスにかかります。修理店や減り具合によってプラス¥500〜¥1000と差があるでしょう。

パンプスなどのピンヒールの場合

ピンヒールの先端についているゴムは

  • トップリフト
  • リフトペグ
一般的にはこのように呼ばれます。
ゴムがついているヒールの土台部分は
  • ブロック
  • ヒールベース
などと呼ばれます。
ヒールの先端についているゴムの中心は金属が埋め込まれています。
この金属部分が、ヒールブロック先端の穴に挿さることで固定されています。ゴムが削れてくると内部の金属部分が見えてくるので、歩いていて「カツカツ」音がなり始めます。
金属が見えてくる頃が、最適な交換のタイミングです。

ゴムがなくなった状態で履き続けると、ゴム中心の金属がヒールブロックの穴の中に埋まっていきます。

その場合ヒールブロックの高さを削らないと取り出せなくなったり、金属が詰まったところにドリルで穴を開ける場合もあります。
何度も金属が詰まると、靴自体が痛みヒールブロック自体の交換が必要になることもあります。
ヒールブロック交換は、デザインや履き心地が変わるため注意が必要です。
ピンヒールタイプの靴は、ゴムの面積が小さいため、コンクリートを毎日歩くような場合は、こまめに交換が必要になります。

スニーカー

スニーカーは靴底が一体になっています。
修理方法は
  • 部分的に修理する方法
  • 全体的に1枚ゴムをのせる方法
の2通りあります。

部分修理

部分修理は、斜めのゴム部材を使います。
すり減ったカカト部分を同じ角度に削り、斜め部材をつけて平らに戻します。
色味の違いやデザインが変わるので、見た目を気にされる場合は注意が必要です。

ゴムを1枚のせる修理

カカトの減っている部分まで全体的に平らに削り1枚ゴムをのせて周りを加工します。
全体的に1枚のせるほうがデザインは変わりますが、違和感のない修理が可能です。
軽量化されているスニーカーは、ゴムを1枚追加することで多少重みがでてしまいますが、全体的にグリップ力が増すことで歩きやすくなることがあります。

長く履きたい靴であれば、新品の状態から1枚ゴムをつけておけば、減った時に取り替えが出来るため、キレイに長く履くことができます。

【カカト修理店はどこを選ぶ?】靴修理店比較

靴修理店は全国で多数あります。
その中でも業界大手は
  • 靴専科
  • Riat(リアット)
  • ミスターミニット
です。
街中でも見る機会が多いのではないでしょうか。
3社を比較していきます。

横にスクロールできます→

靴専科

Riat(リアット) ミスターミニット
店舗数 全国92店舗
(2021年現在)
全国252店舗
(2021年現在)
全国319店舗
(2020年3月現在)
ピンヒール ¥1320〜 ¥1100〜 ¥1430〜
カカトゴム(婦人) ¥1650〜 ¥1650〜 ¥1760〜
カカトゴム(紳士)  ¥2750〜 ¥2750〜 ¥2860〜
配送修理 あり 一部店舗で対応

Amazon経由で対応

※価格は両足(税込)

ピンヒールの料金はRiatが安いです。交換する頻度の高いピンヒールの値段が安いのは、女性にとってはありがたいですね。
店舗数はミスターミニットが圧倒的に多く、困ったときすぐに相談できるのが特徴です。職場や自宅近くで店舗を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

靴専科

靴専科の最大の特徴は、修理配送サービスです。
お電話によって事前に相談できるため、わざわざお店にお足を運ばなくても靴修理が可能です。納期も1週間前後と、配送サービスをしている他社に比べて圧倒的に早いので外出自粛をしている人仕事が忙しい人には最適なのではないでしょうか。

Riat(リアット)

Riatはショッピングモールなどで、よく見かけることも多いと思います。
部材のカラーバリエーションが多いのが特徴で、スニーカーの色味をあまり変えたくない人や、色味を変えてカスタマイズしたい人には修理の選択肢が増えます。
最近では修理品配送サービスをしている店舗もあり、店頭で説明を聞いた上で修理をお願いし、あとは届くのを待つだけです。

ミスターミニット

全国300店舗以上と業界大手のミスターミニットは、駅構内で見かける人も多いのではないでしょうか。
靴修理には「修理したところが剥がれてしまった」など糊が定着しずらい素材のお靴も存在します。
ミスターミニットのアフターサービスは、当初と別店舗に持ち込んでも無料で対応してくれるため、全国的に店舗数が多いのは安心と言えるでしょう。
最近では、Amazonにて配送修理も行っているため、わざわざ店舗に足を運ばなくても修理ができるのも特徴です。

【靴のカカト】すり減りを防止するには

カカトのすり減りを完全になくすことは不可能です。しかし、日常生活の意識ですり減りを予防することはできます。具体例をまとめて紹介していきます。

外反母趾を治す

外反母趾は、足裏の筋肉が衰えることによって着地の際にカカトが外側に傾きます。カカトが外側に傾くと、蹴り出し時に親指が内側に入り込んでしまうことにより骨が変形していきます。
この状態で靴を履き続けると、カカトが極端に減ってしまったり、すり減りに左右差がでてしまいます。外反母趾がある人は、根本を改善する必要があります。

靴をローテーションして履く

靴をローテーションで履くことにより、1つの靴が極端に消耗することを防ぎます。減っている靴を履き続けることによって体のバランスが崩れ、よりカカトが減りやすい状態になります。
靴をローテーションするメリットは他にもあります。湿気を含んだ靴を履き続けるよりも、乾かす期間を設けた方が靴が長持ちするため、結果的にキレイに長く履くことができるのです。
シーズンオフの靴の保管方法はこちらの記事にまとめています。
>>失敗しない靴の保管方法はこちら

室内用の靴と外用の靴を分ける

室内用と外用は、歩く場所の違いからカカトの減り方も異なります。もし仕事上、履き替えが可能であれば、それぞれ分けて履くことをおすすめします。

体の姿勢を整える

体のバランスは靴の減り方に大きく影響します。カカトが減った靴を左右見比べてみてください。どちらかが極端に減っている場合は、体のバランスに左右差があります。
片足が減った場合、修理をするタイミングが増えてしまい、余計に費用がかかってしまいます。体の姿勢を整えバランスよく歩行することは、靴をキレイに長く履くことに繋がります。

まとめ

ここまで「靴のかかとの修理を考えるタイミング」として、すり減りの予防方法からオススメの靴修理店までまとめて解説しました。
かかとのすり減った靴で身体に負担をかける前に補修や予防をしてしまうことがオススメです。
  • 靴のかかとの役割はクッション性・軽量化・交換可能にすること
  • 靴のかかとの修理のタイミングは、①購入したとき②すり減りが土台までいく前に!
  • 靴のかかとの補修店は修理配送サービスのある「靴専科」がおすすめ!
靴のかかとのすり減りを修理・防止するだけでお気に入りの靴を長く履くことができます。
今回の記事を参考に自分が持っている靴のかかとの修理のタイミングを考えて見てください。