- 反り腰がぽっこりお腹や太もものハリの原因って本当?
- 反り腰だから立っていたり運動すると腰に負担がかかる。
- 身体の負担を軽くしたいから反り腰の改善方法を教えて!
背筋を伸ばしてキレイな姿勢をつくろうとして、反り腰になってしまうひとは多いです。しかし、反り腰は腰に負担がかかるため運動すると痛みがでたり、ぽっこりお腹に見えてしまいます。
反り腰を解消するポイントは太ももの筋肉を柔らかくすることとインナーマッスルを鍛えること。
私は基幹病院で理学療法士として働くだけでなく、トレーナーとして水泳の国体選手のケアも行っています。
水泳競技では水の抵抗を少しでも軽くするために、まっすぐでキレイな姿勢をキープすることがとても大切。最近よく聞くインナーマッスルのトレーニングも実は水泳競技の姿勢トレーニングから始まっているんです。
そこでこの記事では、反り腰の原因・セルフチェック方法からストレッチ・筋トレ方法までまとめて解説します。
姿勢をキレイにするだけで、自分の身体にかかる負担を軽くし、周りからの見た目の印象も変わります。
この記事を読めば「身体に負担をかけないキレイな姿勢の作り方」がわかります
反り腰とは腰が「過剰に」前に沿った姿勢
反り腰とは腰が「過剰に」前に沿った姿勢のことです。
人間の背中には背骨があり、たくさんの似た形の骨が連なって背骨は「S字カーブ」を形成しています。通常、骨盤を土台として腰は前側にカーブしています。この腰のカーブが過剰に前に反ってしまった状態が「反り腰」です。
腰が反る原因は3つ!
筋肉のバランスが崩れている
筋肉のバランスは姿勢を支えるのにとても重要です。ポイントは体幹のインナーマッスルと土台である骨盤。この2つが協調することで姿勢は安定します。
反り腰では、①体幹のインナーマッスルの筋力低下と②太ももの柔軟性低下が骨盤を傾けています。ここからはそれぞれについて、順番に解説していきます。
体幹のインナーマッスルの筋力低下
加齢や運動不足に伴う、筋肉の衰えは反り腰になる大きな原因の一つです。
腰を反らす筋肉は人間の背中側にあります。この筋肉が強すぎると自然と腰が反ってしまい、普通にしていても反り腰の状態となってしまうのです。
反対に、背中側の筋肉は普通でも、反対の作用があるお腹側の筋肉が弱っている場合でも反り腰になります。つまり、前後の筋肉バランスを整えておくことが大切なのです。
太ももの柔軟性低下が骨盤を傾ける
背中の骨は骨盤とつながっており、骨盤が前に傾くとその動きに合わせて背骨も前に傾いてしまいます。
背骨が前に傾いても頭の位置は変わりませんから、これによって前側のカーブが強くなってしまうのです。
柔軟性の低下によって骨盤を前に傾けてしまう筋肉には、腸腰筋(ちょうようきん)や大腿直筋(だいたいちょっきん)など。どちらも太ももの前側にある筋肉です。
これらの筋肉の柔軟性を保っておくだけでも、反り腰の改善・予防に効果があるのです。
体重が増えていませんか?
体重が増えることも反り腰になる原因の一つです。
体重が増えることによって反り腰になる理由は、「筋肉への負担が大きくなるから」。
体重が増えると、おなかが出てきますよね。おなかが出てくるということは身体の前側が重たくなるので、それを修正すためには体を後ろへ反らす必要があります。
身体を後ろへ反らすと、背骨のカーブが前側へ大きくなりますから、これによって反り腰が起きてしまうのです。
ヒールの高い靴も原因に!
ヒールの高い靴を履いていることも原因の一つです。
ヒールを履いていると下り坂に立っているのと同じ状態になります。
重心は前側に傾き、前に倒れないように背中側の筋肉を使って身体を後ろに反らせますよね。
坂道を下る時くらいであれば特に問題は無いのですが、ヒールを履いていると常にこの状態になるので反り腰になりやすいのです。
ヒールの高さが高ければ高いほど、体を後ろに反らせていることになりますので、普段から高めのヒールを履く方は注意が必要です。
反り腰にはどんなデメリットがあるの?
腰痛の原因になりやすい
反り腰になると、腰痛が起きやすくなります。反り腰になって、背中の後ろ側の筋肉が固まってしまうと、腰の部分の血流が滞ってしまい慢性的な腰痛が起きる原因となるのです。
また、常に腰を反った状態を続けているため、腰痛まではいかなくともコリの原因にもなります。「痛くはないけど、腰がこる」という人でも注意が必要です。
姿勢が崩れてキレイに見えない
反り腰が起こっていると、姿勢がきれいに見えません。
顎が上がり、下っ腹を突き出したような姿勢になってしまうからです。
そこまで太っていないという方でも反り腰だと、いわゆる「ぽっこりお腹」が強調されたような姿勢に見えてしまいます。
猫背の反対が反り腰といわれますが、猫背は背中が曲がって後ろに出ており、反り腰はおなかが前に出る見た目となります。横から見るとあまりキレイな姿勢とは言えません。
自分でできる反り腰チェック!
今回はあおむけで反り腰をチェックができる方法をお伝えします。
- 仰向けに寝て、膝を立てます。
- ベッドと腰の間に手を入れて、隙間の幅を確認してみてください。
隙間はどのくらい開いていますか?
(1)隙間はなく手が入らない
(2)手のひら一枚分の隙間がある
(3)手首まで楽に通せるくらい広い
「手首まで楽に通せるくらい広い」だった方は反り腰の可能性が高くなっています。
また、寝ている時に、足を伸ばして寝ると腰が痛くなるという方もいます。
これは、太ももの筋肉の柔軟性低下が起こっているかもしれません。腸腰筋や大腿直筋の柔軟性が低下していると、足を伸ばした際に骨盤が前側に傾きます。
骨盤が前側に倒れると、背骨の前側のカーブが強くなるので、結果的に反り腰の状態となり、腰痛も発生してしまうのです。
反り腰を改善させるストレッチ
それでは、反り腰を改善するためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。
まずは反り腰の改善に役立つ、ストレッチを2つ紹介します。
椅子に座った状態で行えるストレッチ
椅子に座った状態で、腰を丸めるだけのストレッチです。
- 椅子に浅めに腰かけて、背筋を伸ばします。
- ゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませ、へその方を見るようにして腰を丸め、そのまま5秒間キープします。
- そこから5秒数えて、息を吸いながら頭を真上に上げるよう、ゆっくり姿勢を戻していきます。
- この動きを10回繰り返します。
床に座って行うストレッチ
- 背筋はまっすぐにした状態で、左右の足の裏を向き合わせ座ります(胡坐の途中のような座り方です)。
- 手を前方にスライドさせて足首をつかみながら、お腹を覗き込むように背中を丸めます。
- この状態を10秒キープして、背中に大きなカーブを作りましょう。
- 痛みのない範囲で楽に呼吸をしながら3セットこの繰り返しを行います。
時間をかけず、手軽に行えるストレッチですので、毎日行うことで効果が徐々に実感できるはずです。
いずれのストレッチも背中の筋肉の柔軟性を向上させることや、緊張(筋肉のコリ)をほぐすのに有効な動きとなっています。場面にあわせて使い分けましょう。
反り腰を改善させるインナーマッスルの筋トレ
次に、反り腰の改善に役立つ筋力トレーニングを紹介します。筋力のバランスが崩れていることによっても反り腰が起こります。前後でバランスよく筋力をつけられるように筋トレを行うことが重要です。
壁際で行うスクワット
まずは、スクワットを紹介します。スクワットといってもジムで行うようなバーベルを利用したスクワットではなく、必要な道具などは特にありません。
壁際で行う理由として、正しいスクワットを行えるという理由があります。膝がつま先より前に出る方法でスクワットを行っていると、膝に負担がかかり故障の原因となります。壁の前に立ち、スクワットをすることで膝がつま先より前に出ることが無いため、適切な効果を得ることにつながるのです。
- 足を肩幅より少し広げて壁の前に立つ。
- お尻を後ろに突き出しながら、ゆっくりとしゃがんでスクワットしていく。
- ある程度の深さまでしゃがんだら元の姿勢に戻ります。
- これを1セット5回、1日に3セット位を目安に行います。
リバースクランチ
- 床で仰向けになり、両腕を体の横で伸ばして手のひらを床につけます。
- 両膝を揃えて胸側に引き寄せ、ももが床と垂直になるまで引き上げます。
- 膝の角度を90°に保ったまま、足底が床につくまで下ろしついたら引き上げてすぐに元のポジションに戻します。
- 1セット10回を1日3セット行います。
どんなに良い運動でも続けなければ効果はありません。環境を整えて運動習慣を作る方法はこちらの記事にまとめました。
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まとめ
ここまで反り腰の原因・セルフチェック方法からストレッチ・筋トレ方法を解説しました。
姿勢をキレイにするだけで自分の身体にかかる負担を軽くし、周りからの見た目の印象も変わります。運動中の腰痛で悩んでいる方も、姿勢を修正することで改善がみられるかもしれません。
- 反り腰とは腰が「過剰に」前に沿った姿勢
- 反り腰の原因は①筋肉のバランスが崩れている②体重が増えている③ヒールの高い靴を履くこと!
- 理想的な体のバランスを取り戻すためには手軽に行えるストレッチと筋トレが大切!
一見綺麗な姿勢をしているように感じる「反り腰」は、実は身体に負担のかかるバランスの悪い姿勢です。
今回の記事を参考に日常生活のちょっとした工夫で姿勢の乱れを改善し、健康生活にシフトしていきませんか?