デスクワーク中の正しい座り方とは?|猫背に効く筋トレ・ストレッチを解説

  • 鏡を見ると背中が丸まってアゴが前に突き出た姿が…
  • 気づいたら意識して治すのにすぐ元どおりの姿勢に… 
  • 「疲れてる?」とか「年取って見えるよ」なんて言われたくないから、キレイな姿勢の作り方を教えて!

姿勢が崩れてる自覚はあってもそのまま放置している人も多いです。しかし、猫背を放置していると首や肩のコリの原因になったり、周りの人から老けて見られることもあります。

私は基幹病院で理学療法士として働くだけでなく、トレーナーとして水泳の国体選手のケアも行っています。

水泳競技では水の抵抗を少しでも軽くするために、まっすぐでキレイな姿勢をキープすることがとても大切。最近よく聞くインナーマッスルのトレーニングも実は水泳競技の姿勢トレーニングから始まっているんです。

そこでこの記事では、猫背にならないデスクワーク中の正しい座り方を、チェック方法から猫背に効く筋トレ・ストレッチまでまとめて解説します。

姿勢をキレイにするだけで、自分の身体にかかる負担を軽くし、周りからの見た目の印象も変わります。

この記事を読めば「猫背にならないキレイな姿勢の作り方」がわかります。

デスクワーク中の姿勢はキレイにキープできていますか?

皆さんはデスクワーク中にどのような姿勢で作業をしていますか?背筋をピンと伸ばした姿勢・背もたれによりかかっている姿勢・背中が曲がり顎が突き出た猫背の姿勢など様々ですよね。

その中でも特にデスクワーク中の姿勢が崩れで多いのは「猫背」です。

肩こりや腰痛に悩む女性はかなり多く(引用元:厚生労働省)、無意識のうちに猫背になっていると、腰痛・頚部痛・肩こりの原因になります。

デスクワーク中にキレイな姿勢をキープするとことは、身体の不調を軽くしてくれます。

日常生活での座り方などをもう一度見直すと新たな発見があるかもしれません。
>>正しい姿勢のチェックポイントはこちらの記事をどうぞ

猫背になる原因は身体のバランスが崩れること

背になってしまう原因は、「理想的な体のバランスからズレた姿勢を続けていること」です。

私達人間の身体は、立っている時に一番バランスが良くなるように作られています。

しかし、文明の発達とともに椅子やソファーなどが増え、デスクワークのように座る姿勢を長時間続ける機会も増えました。

「楽な方に…」と無意識のうちに姿勢を崩していることが原因で、身体の様々な場所で疲労・コリが溜まってしまうのです。

もちろん、座った時にも上半身は立った時と同じ姿勢を維持し続けられれば問題ないのですが、身体に負担がかかる姿勢を長時間続けることで、猫背になってしまいます。

自分でできる猫背のチェックポイント

「少しくらいは曲がっていても平気なのでは…?」と感じた方もいらっしゃるかと思いますので、自分でできる猫背のチェック方法をお伝えします。

簡単に行うことができますので、ぜひ自分の状態を把握してみましょう。

  1. 壁に背を向け、30cm程壁から離れて立ちます。
  2. そのまま後ろに下がり、体を壁にくっつけます。

    体を壁にくっつけた時、最初に体のどこが壁についたかを覚えておいてください
  3. 壁と腰の間に手を入れます

    隙間はどのくらい開いていますか?
    (1)ギリギリ片手が入るくらい (2)手が入らない (3)楽に手を通せるくらい広い
セルフ猫背チェックの結果
②で「お尻よりも先に背中が付いた人」
③で「手が入らない」方は猫背の可能性が高くなっています。
②でお尻が先に付いた方や、③でスっと手が入った方は猫背の心配は少ないですが、反り腰の可能性があります。
>>反り腰にならないキレイな姿勢の作り方はこちらの記事をどうぞ

セルフ猫背チェックの結果はいかがだったでしょうか。
自分の状態を把握できたところで、ここからは猫背への対処法を紹介していきます。

猫背への対処法

デスクと椅子の高さを調整しよう

猫背を改善していくためには、デスク(机)と椅子の高さが重要になります。皆さんが普段利用しているデスクや椅子の高さはどのくらいですか?ここでは、正しい調整についてお伝えしていきます。

初めに、デスクの高さです。机デスクの高さは「書物やPCを見た時に30°で見下ろすくらいの高さ」に調整しておくことが大切です。あまりにも高すぎたり、低すぎたりすると、顔を上げた・下げた状態となってしまい、肩こりや猫背の原因となってしまいます。具体的な目安としては、60cm~72cmの範囲で高さ調整が行えるデスクがおすすめです。

次に、イスの高さです。イスの高さは「地面に足を着いたときに、膝が90°くらいになる高さ」が理想的とされています。それよりも低い高さだと、膝に負担がかかってしまいます。逆に高いと太ももの裏が圧迫されてしまい、血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなると、冷えなどの原因になってしまいます。一番下まで降ろしても足が完全につかない方は、フットレストと呼ばれる足置きを利用することで、足裏が地面についている状態を作り出すことができます。

正しい座り方のコツは骨盤

猫背の原因に座り方が関係していることは広く知られていますが、その中でも骨盤が猫背を改善するカギを握っています。

骨盤は背骨とつながっているので、骨盤が前後に傾いてしまうとそれにつられて背骨も曲がってしまい猫背になってしまうのです。

正しい座り方をする際は以下のステップを実践してみましょう。

  1. まず、勝手に背筋が伸びるところまで、お尻をグっと背もたれ側まで引きつけます。
  2. アゴを引き肩の力を抜いてリラックスします。
  3. 地面にしっかりと足をつけ、お尻がぐらつかないようにします。

このように骨盤が倒れないようにし、意識的に正しい座り方をすることで、猫背の改善につながります。

猫背の改善だけでなく、猫背が原因で生じていた肩・首のコリや腰痛などの改善にもつながります。

猫背の効果的なストレッチ

猫背の改善には、背中の筋肉をストレッチすることもオススメです。身体に負担のかかる姿勢で疲れている筋肉をほぐし、正しい姿勢を覚えさせていくことが大切です。

猫背に効果的なストレッチ(1)

  1. バスタオルなどのタオルを筒状に丸めます。
  2. 丸めたバスタオルを肩甲骨の下にセットします。(肩甲骨は、背中にある骨です。肩の後ろで触ることができますので、参考にしてみましょう。)
  3. 寝た状態で両手を上げ、バンザイをします。
  4. この状態を1~2分間、キープします。無理をしない程度に顎を引くと、ストレッチ効果が高まります。

猫背に効果的なストレッチ(2)

  1. 両手・両膝を床に付けた、四つん這いの状態になります。(お尻の真下に膝、肩の真下に両手が来るように調整しましょう)
  2. 背骨を反らしながら、目線を上げていきます。(両手で床を押しながら反らせていくイメージで行います)
  3. 次に息を吐きながら、背中を丸めていきます。(目線はへそを見るようにします。へそを背中にくっつける感覚で丸めていきましょう)
  4. 呼吸をゆっくりと行いながら、これを5~6回繰り返します。

猫背に効果的な筋トレ

猫背対策には、正しい姿勢をキープする筋力も必要になります。筋トレといっても、ジムで行いような高重量のダンベルなどは必要なく、自宅で手軽に行えますので、積極的に取り入れましょう。

猫背に効果的な筋トレ(1)

  1. うつ伏せの状態から両肘を立てて、上半身を持ち上げます。(膝は床につけても構いません。腕立て伏せの肘バージョンのような姿勢です)
  2. ここから膝を離して上に持ち上げます。(お尻が上がりすぎないように注意します。頭から足かかとまで一直線になるように心がけます)
  3. この状態を10秒間キープします。(辛い場合は5秒や6秒でも構いません。自分のレベルに合わせて調整しましょう)
  4. 1~3を5~6回ほど繰り返します。

猫背に効果的な筋トレ(2)

  1. 四つん這いの状態になります。
  2. そのまま、交差する手足をまっすぐに伸ばして、体幹と平行な高さまで持ち上げます。(右手と左足or左手と右足のように逆側同士を一緒に上げます。)
  3. 上げた手足が床につかないよう、コントロールしながら肘と膝でタッチします。
  4. 1~3を左右10回ずつ行います。

効果的な筋トレも継続できなければ効果はありません。運動を継続して習慣にする方法はこちらの記事にまとめています。

運動習慣の作り方

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まとめ

ここまでデスクワーク中の座り方や、猫背の対処法ついて解説しました。

デスクワークやリモートワークを行う頻度が増え、座り方ひとつで身体の様々な部分に悪影響が出てきます。いつも肩こりや腰痛で悩んでいる方も、座り方を修正することで改善がみられるかもしれません。

  • 腰痛・頚部痛・肩こりに悩む女性も多く、「理想的な体のバランスからズレた姿勢を続けていること」が猫背の原因
  • デスクや椅子の高さを骨盤が前後に倒れないように調整
  • 理想的な体のバランスを取り戻すためには手軽に行えるストレッチと筋トレが大切!

文明とともに私たちの生活スタイルは変化していきますが、体の構造が変わらない以上、悪い姿勢を避けるべきであることは言うまでもありません。

今回の記事を参考に日常生活のちょっとした工夫で猫背などの姿勢の乱れを改善し、健康生活にシフトしていきませんか?