靴のカビ取り方法を素材別に完全解説|革靴やパンプスを捨てる前に試してみて!

  • 靴にカビのようなものあって少し臭う。これってやっぱりカビなの?
  • 4ヶ月ぶりに靴棚から出したらカビが。。。エタノールで拭くだけで大丈夫?体によくない?
  • カビの生えた靴はどのようにお手入れしたらいい?またカビるのは嫌だから予防を教えて!!
下駄箱の靴だけでなく、普段履いている靴でも知らない間にカビが生えてしまうことも多いです。しかし、そのままカビた靴を履くのは抵抗がありますよね。靴もカビによって革が痛みやすくなります。
そこでこの記事では靴のカビ取り方法として靴の素材別に具体的なカビ取り手順をまとめています。
靴のカビを取る事で見た目の印象が良くなり清潔感が出るだけでなく臭いも解消。さらにカビが生えにくくすることもできますよ。
結論をまとめると、「カビの落とし方の基本は①ブラッシング②カビ取り③乾燥」。お気に入りの靴のカビを落とすことで、捨てなくても履き続けることができますよ。

カビた靴を履くと肌にも靴にも悪影響!

靴にカビが発生することにより、清潔感がなく見た目が悪いと思う人も多いと思います。しかし、それ以上に深刻な問題があります。

それは

  • 足の臭いの原因になったり、皮膚にダメージを与えて肌が荒れる可能性がある
  • 靴も革の状態が痛み、ダメージを受ける
カビが発生する原因をしっかり理解し、キレイに長くお靴を履けるように対処していきましょう。

【素材別】靴のカビ取り方法!捨てる前に試してみて

ここから、実際のカビ取り方法を説明します。
他のサイトではアルコールやエタノールを使用したカビ取り方法を紹介しているところもありますが、本サイトではカビ取り専用スプレー(靴用)の使用をおすすめしています。
専用のカビ取りスプレーはカビを取るだけでなく、お手入れ後の除菌脱臭や防カビ効果もあるためカビの再発に役立ちます。

革靴のカビ取り4ステップ

革で作られている靴は水で洗うと素材が痛み、革が乾燥する原因になります。
乾燥した革は、ひび割れやツヤが出ないといった見た目に影響することがあるため、水洗いやつけ置き洗いは絶対にしないでください。
  1. ブラッシング(馬毛ブラシ
    毛質の柔らかい馬毛ブラシで、表面の汚れやホコリを取り除きます。
  2. カビの拭き取り(靴用のカビ取りスプレー重曹
    靴用のカビ取りスプレーを用意できない場合には重曹で代用できます。

    • カビ取りスプレーを使う場合
      布にカビ取りスプレーを湿らせて、カビをこするように落としていきます。
    • 重曹を使う場合
      水で湿らせた布に重曹を少しつけて除去していきましょう。
    布の同じ面を使うとカビを伸ばしてしまう可能性があるため、拭いたら必ず違う面を使用してください。
  3. カビ取りスプレーを全体的に吹きかける(カビ取りスプレー
    拭き取ることで表面のカビの除去はできてもまだまだ不十分です。
    根元に残っている場合はまた繁殖する可能性があるため、全体的にスプレーをしましょう。

    革専用のカビ取りスプレーでも、使用の際は必ず目立たないところで試してください。
  4. 靴を乾かす
    全体的にカビの除去が終わったら靴を乾かします。この時に通気性の悪いところに置いてはあまり意味がありません。
    なぜならカビは湿気を好むので、せっかく除去しても再び繁殖する恐れがあるからです。必ず通気性の良い日陰に、半日〜1日を目安に置いてください。カビ取りスプレーを靴の中にした場合、靴の中は密閉状態のため、丸めた新聞紙をつめておくとより効果的です。
  5. おまけ(靴クリーム
    全体的に乾いたら、靴クリームを使って靴磨きをすると、革の状態を良質に保つことができます。

スエードのカビ取り4ステップ

スエードも水洗いはできません。水分によってシミができたり、毛並みの質が変化する恐れがあるからです。
  1. ブラッシング(スエード専用ブラシ
    スエード専用ブラシで、表面の汚れやホコリを取り除きます。
    スエード専用ブラシは、ワイヤーブラシとゴムブラシが一体になった形状になっているので、毛並みを整えたり、毛の間にある汚れを掻き出すのにすぐれています。
  2. カビの拭き取り(靴用のカビ取りスプレー重曹
    靴用のカビ取りスプレーを用意できない場合には重曹で代用できます。

    • カビ取りスプレーを使う場合
      布にカビ取りスプレーを湿らせて、カビをこするように落としていきます。
    • 重曹を使う場合
      水で湿らせた布に重曹を少しつけて除去していきましょう。
    布の同じ面を使うとカビを伸ばしてしまう可能性があるため、拭いたら必ず違う面を使用してください。
  3. カビ取りスプレーを全体的に吹きかける(カビ取りスプレー
    拭き取ることで表面のカビの除去はできても不十分です。
    根元に残っている場合はまた繁殖する可能性があるため、全体的にスプレーをしましょう。

    革専用のカビ取りスプレーでも、使用の際は必ず目立たないところで試してください。
  4. 靴を乾かす
    全体的にカビの除去が終わったら靴を乾かします。この時に通気性の悪いところに置いてはあまり意味がありません。
    なぜならカビは湿気を好むので、せっかく除去しても再び繁殖する恐れがあるからです。必ず通気性の良い日陰に、半日〜1日を目安に置いてください。カビ取りスプレーを靴の中にした場合、靴の中は密閉状態のため、丸めた新聞紙をつめておくとより効果的です。
  5. 防水スプレーを吹きかける(防水スプレー
    最後に防水スプレーをします。防水スプレーは水を弾くのにプラスして、汚れをつきにくくする効果も期待できます。カビ取りをした効果も長く続きます。
  6. おまけ(靴クリーム
    全体的に乾いたら、靴クリームを使って靴磨きをすると、革の状態を良質に保つことができます。

スニーカーのカビ取り方法5ステップ

スニーカーのような布地や一般的なスニーカー素材は丸洗いが可能です。丸洗いといっても水だけでは菌を死滅させることはできません。
スニーカーは時間をかけてしっかり処理することをおすすめします。
  1. ブラッシング(馬毛ブラシ
    馬毛ブラシでしっかり表面のカビや汚れを落とします。ブラシを使うことによって、繊維に入り込んだ汚れを掻き出すことができます。
  2. 重曹をバケツに混ぜて浸け置く(重曹
    50度ぐらいのぬるま湯に、重曹を入れよくかき混ぜます。
    重曹は弱アルカリ性の性質を持つため、カビなど雑菌の除去や増殖を抑える効果があります。

    重曹が混ざったぬるま湯に3時間ほどつけ置きしてください。
    靴全体が入るバケツに対して、重曹をスプーン1杯〜2杯を目安に入れてください。
  3. 汚れが強い場合は漂白剤も一緒に使用(酸素系漂白剤
    重曹と漂白剤を一緒に使用することで効果が強くなります。

    ぬるま湯の入ったバケツに重曹と漂白剤(酸素系)を入れてかき混ぜてください。
    重曹と漂白剤(酸素系)はそれぞれ1杯ずつが目安になります。
    漂白剤は刺激が強いので、漂白剤を使用する場合は30分〜1時間程度で靴を取り出すようにしてください。
    黒カビが強い場合には漂白剤(酸素系)を混ぜましょう。
  4. 靴用の石鹸で洗う(靴用石鹸馬毛ブラシ
    つけ置きで根元のカビを除去できたら手洗いを行います。バケツから取り出し、靴用の石鹸をブラシにつけて洗っていきます。
    強めにゴシゴシ洗っても問題ありませんが、お靴の状態によっては素材を痛めてしまう可能性があるので、劣化している靴や表面が弱っている靴の場合は、様子を見ながら強さを調整するようにしましょう。
    この時に使用するブラシは、靴の中まで洗える先の長い靴用ブラシがおすすめです。
  5. 乾かす
    乾かす際は必ず風通しの良い日陰に置くようにしましょう。湿った状態の靴を、密閉された場所においてはカビを取った意味がありません。

    日光に当てるのも、変色の恐れがあるため必ず日陰で乾かすようにしてください。
    表面が乾いたと思っても中まで完全に乾いていない場合もあります。最低でも2日、お急ぎでなければ3日は置くようにしましょう。

【Q&A】カビ取りのよくある疑問・注意点

靴のカビ取りにアルコールやエタノールは使えますか?
靴のカビは菌が繁殖することで発生します。最も有効な対策は殺菌なので、カビを落とすというよりは、カビの元を死滅させることが重要になります。
実はアルコールやエタノールを使ったカビ取りはおすすめしません。なぜなら菌を落とす効果はありますが、アルコールやエタノールはカビの除菌の効果が少ないのです。
1度カビを落としても再度繁殖する可能性が高く、これらの薬品は革を痛めてしまう可能性も。そのため靴の革用のカビ取りスプレーを使用してください。
カビの殺菌はハイターでも大丈夫?
カビ菌を除去する必要はありますが、ハイターの使用はおすすめできません。お風呂用やキッチン用のカビ取りスプレーを使用すると靴が痛む原因になります。
また革素材であれば、色が抜けたりシミになる可能性があるので、必ず革用のカビ取りスプレーを使用してください。しかし、革用と言ってもお靴の状態や革質によって色落ちしてしまう可能性も考えられます。使用する際は必ず目立たないところからの使用をおすすめします。
水洗いではキレイにならないの?
数日後に履く予定があるからといって、いきなり水洗いをするのは厳禁です。なぜなら水分を含むことによって、かえってカビ菌が増殖してしまう恐れがあります。表面上はキレイになったと思い乾かしていると、翌日さらにひどい状態になることもあり得ます。
すぐに落とさなきゃとあせっても、
水洗い→乾かすだけでは不十分です。
どうして靴にカビが発生するの?
カビの発生の主な原因は3つ。
  • 湿度
  • 温度
  • 栄養
この3要素はカビが好む最適な環境なのです。温度は20度以上、湿度は70%以上になるとカビの菌が増殖します。靴には上物から靴底まで革が使用されており、この革がカビの養分となります。
またスニーカーなどの繊維に溜まった泥やホコリによる汚れや、汗による皮脂汚れもカビの原因になります。
そのため、気温が高い日に下駄箱のような湿度が高い場所に保管していると、カビはみるみるうちに増殖することになります。
カビの発生原因を減らすことが重要ですが、温度はその日の気温によるため下げることは不可能です。乾燥剤で湿度を上げない環境を作り、汚れをこまめに落としてあげることが重要です。
靴のカビに種類ってあるの?
靴に発生するカビは、主に黒カビと白カビです。食品に発生する青カビや、植物に発生する赤カビなど、カビと言ってもたくさん種類があります。
黒カビ
黒カビは繊維の奥深くまで根を張るため、カビの中でも頑固な種類です。
黒い汚れがこびりついたような見た目をしており、通常の汚れと見分けがつかない場合があります。
白カビ
白カビには少し緑がかった緑カビも存在しますが、白カビの部類に入ります。白カビは、黒カビと比較して繊維の奥まで根付いていないため、除去するのは比較的容易です。
しかし、しっかり除去しないと再び増殖することもあります。
ただの汚れかカビかわかりません。

カビと汚れの違いは『臭い』です。カビには特有の臭いがあります。

例えば、古い家の押し入れや畳からカビ臭いと感じることはありませんか?この臭いはまさにカビの臭いです。
「カビかな?」それとも「ただの汚れなのかな?」このように見た目でわからない場合は、カビ臭さがあるかで判断してみましょう。
いきなり近くで嗅ぐと、カビを吸い込んでしまうこともあるので、まずは離したところから試してみてください。

おすすめの靴のカビ取りグッズ紹介

靴の素材は
  • 起毛
  • エナメル
  • 布地
 など様々あります。靴専用もしくは革専用を使うのが一般的です。

カビ取りスプレー(靴用)

靴用のカビ取りスプレーは¥1,500〜¥3,000前後で購入することができます。カビ取りならなんでも良いわけではありません。
お風呂用やキッチン用などを使うと成分の違いで靴にダメージを与える可能性があります。革素材は1度痛むと元に戻すことが不可能なので、必ず靴用(革用)の物を使用してください。
私がおすすめしている靴用カビ取りスプレー

重曹(じゅうそう)

重曹は100均など比較的安く手に入れることができます。重曹の成分である弱アルカリ性はカビ取りに適しています。
通販でも重曹を購入することができます。

ブラシ

ブラシは細かい汚れやホコリを取り除いたり、スエードの毛並みを整えるために使用します。

馬毛ブラシ(¥1,000~¥2,000)

馬の毛は柔らかい毛質のため、表面に付いているホコリや汚れを取り除くために使われます。主に磨く前の汚れ落としや、普段の簡単な汚れ落としで使用します。スニーカーの靴の中にをブラシで洗浄する場合には、持ち手のついた先が長いブラシを使用するとカビ取りの効率が上がります。

私がおすすめしている馬毛ブラシ(取っ手あり)

スエード用ブラシ(¥1,000前後)

スエード素材にはスエード用ブラシ(¥1,000前後)を使用するようにしてください。
私がおすすめしているスエード用ブラシ(取っ手あり)

綿素材であればなんでもOK。
カビを拭き取るのに使用するため、同じ面を何度も使用するとカビを広げる恐れがあります。いらなくなったTシャツなどなるべく面積の大きい物を使用すると効果的に使用できます。

靴クリーム(¥800~¥2,000)

靴クリームは靴の補色やツヤを出すクリームです。

クリームには様々な種類がありますが、簡単に汚れをとってツヤを出したいということであれば安価なクリームで十分です。

私がおすすめしている靴クリーム

漂白剤(酸素系)

黒カビのような頑固なカビがある時のみ漂白剤を使用します。また、使える素材はスニーカー素材のみですので注意してください。

漂白剤には

  • 酸素系
  • 塩素系

と、2種類あります。

靴のカビ取りで使用する漂白剤は必ず「酸素系漂白剤」を使用するようにしましょう。なぜなら塩素系漂白剤は日光に当たることによって、黄ばんでしまうことがあるからです。
黄ばんだ物を元に戻すことは出来ないので、注意してください。
酸素系漂白剤はこちら

靴用の石鹸・洗剤

主にスニーカーの洗浄に使用します。スニーカー以外の革靴などで使用すると、お靴を痛める可能性があるためあまりおすすめできません。
私がおすすめしている靴用石鹸

防水スプレー(¥600〜¥2,000)

防水スプレーはお手入れした靴や買ったばかりの靴に汚れがつくのを予防してくれます。スプレーをすることで防水・撥油・防汚の効果で靴を保護します。

使用方法は、20~25cm離して表面が軽く濡れる程度に円を描く様に約5秒を目安スプレーし、15分程乾燥させて下さい。

私がおすすめしている防水スプレー

靴のカビ予防方法を2つ紹介

靴に付着した汚れはすぐに取り除くことが大切です。
定期的にブラッシングすることにより、繊維に付着した汚れを掻き出すことができます。
見えない汚れも付着しているため、毎日ブラッシングすることが好ましいですが、なかなか難しい方は、1週間に1度を目安にやってみてください。

履いた靴はすぐに下駄箱に入れない

脱いだ靴をすぐに下駄箱に入れるのは厳禁です。
足の皮脂汚れや汗がまだ残っている状態で、下駄箱のような通気性の悪いところにしまうと、菌を増殖してしまう原因になります。
靴をローテーションで履く場合は、脱いだ次の日まで玄関に出しておきましょう。
もし中敷が外せるタイプであれば、中敷を出してあげるとより効果的です。

下駄箱もこまめに掃除と除湿を

カビの好む環境は
  • 湿度
  • 温度
  • 栄養
です。
カビの条件が揃いやすい靴箱はこまめに清掃する必要があります。
  • 定期的に拭き掃除をして、汚れやホコリを落として置とす
  • 乾燥剤を使って湿気を取り除く
この2点に気をつけて、日頃からカビが好まない環境作りをしてみましょう。
シーズンオフの靴の保管方法はこちらの記事にまとめています。
>>失敗しない靴の保管方法はこちら

靴クリーニングでカビ取りもアリ

自分でできるカビ取り方法を解説してきましたが、「自分でやるにはかなり大変そう…。」そう感じた方も多いのではないでしょうか。

お気に入りの靴だから捨てたくない。でも自分でカビ取りは難しそう。そんな方には靴クリーニングという選択肢もあります。

実際に靴クリーニングの依頼には、カビの生えてしまった革靴やブーツも多いです。

料金も一足あたり3000円以下のところもあり、カビ取りグッズを買い揃えるのと同じ負担でプロにクリーニングを依頼できます。

どうしても捨てたくないお気に入りの靴の場合には靴クリーニングも検討して見てください。

まとめ

ここまで靴のカビ取り方法として靴の素材別に具体的なカビ取り手順を解説しました。

靴がカビていても自分でお手入れすれば、足元の印象をよくできて臭いも予防にもなりますよ。

  • 靴のカビは①湿度、②温度、③栄養が原因!
  • カビの落とし方の基本は①ブラッシング②カビ取り③乾燥
  • 自分でカビ取りが難しそうなら、最終手段は靴クリーニングでプロに依頼!

おしゃれの基本は足元から。

靴をキレイにすることで周りからの見た目の印象が良くなり、清潔感がでます。さらにはお気に入りの靴を長持ちさせることもできますよ。

今回の記事を参考に日常生活のちょっとしたお手入れで清潔感の高い靴で過ごしてみませんか?